リクルートスーツとは・・・

■リクルートスーツの定義って?
おそらくこの問いに正確に答えることは難しいでしょう。そもそも、「リクルートスーツ」という単語は昔は存在しておらず、比較的最近になって生まれた「造語」であることを考慮すると、「リクルートスーツ」という単語には「何らかの意図があり、何らかの意味づけがなされている」と判断するのが妥当です。その秘密を私なりに少し探っていきたいと思います。

リクルートスーツ(女性もの)の定義は、大雑把な言い方をすれば、 @【20代前後の女子学生】が就職活動中や内定式、入社式、研修期間中に着用するもの、または【新卒の新入女子社員】が入社後の一定期間中に着用する「スーツ」となるでしょう。

では、上記@の条件を満たしていれば、白のスーツやベージュのスーツでもリクルートスーツとなりうるのか? といったら答えはもちろん「NO」となるでしょう。「誰が、どのような時」に着用するかという@の条件に加えて、A【色が黒、チャコールグレー、濃紺】といった色合いの【無地】で【シングルボタンの3つまたは2つ】(ごくまれに4つや1つもあるが今の主流は3つか2つです。)のスーツ」という条件も加わると考えられます。


■リクルートスーツは「着用者」と「場」が生み出すハーモニー
そこで一つ反論が生じます。Aのような条件を満たしたスーツを女子学生が就職活動等で着れば当然リクルートスーツと言って差し障りないわけですが、そのスーツを女子学生の母親(たとえば40代後半か50代前半として)が着用したら、どうなるのか? ということです。まさか娘が着ていたスーツを母親が着た途端にデザインが変わったり色合いが変わってしまうという魔法がかかるわけではありません。着ているスーツ自体は娘も母親も同じなのです。しかし、母親が着た途端に、女子学生が就職活動で着ている時とは見た目の全体的な雰囲気が違って見えるのは否めません。

つまり、スーツの色やデザインなどの条件Aだけを満たしていても、着ている人が年輩者であったり、たとえ20代前後の女子学生であっても着用している状況が就職活動などではなく、何かのパーティーの場や同窓会であったりすると、「リクルートスーツを着ている」とは表現し難くなるのです。こういった場合は、「フォーマルスーツを着ている」と言った方が適切かもしれません。先に述べたように、娘が着ていた「リクルートスーツ」を「母親が着用」した場合も同様です。

こう考えてくると、「リクルートスーツとしての体裁を整えたスーツを挙げる」事は可能でも、「あの女性はリクルートスーツを着ているね」といった誰もが納得する状況を指すには、単に条件Aのスーツの色や形状を満たすだけでは無理があります。つまり、着ている人・その状況といった条件@と色や形状などの条件Aの双方を満たして醸し出された「雰囲気全体」を指して「リクルートスーツを着ている」と表現するのであって、色や形状だけで「リクルートスーツ」と判別されるのではないことも分かります。

この論法でいくとすると、いわゆるリクルートスーツ量販店やデパートなどの「リクルートスーツコーナー」で購入したものではないスーツでも色や形状が条件Aを満たしており、それを女子学生が就職活動で着用すれば、「リクルートスーツを着ている」と言えるわけです。


■リクルートスーツが生まれた背景
「リクルートスーツ」という単語が生まれた背景を考えますと、バブル崩壊後の日本経済の低迷により、特に90年代半ば以降に雇用状況が一変したことに起因すると思われます。就職難で売り手市場から買い手市場へと変容した時に、スーツ販売業界が、優位に就職活動・転職活動を行うツールの一つとして「第一印象・服装は大切だ」というスローガンの名の下に、商業ベース的に上手く宣伝し、「リクルートスーツ」というカテゴリーを創出する事に成功したのでしょう。

もともと存在していたはずの色、形状のスーツを「リクルートスーツ」という造語と共に世に浸透させていったのではないかと推察できます。そして、スーツ業界は、数年ごとにリクルートスーツの流行色や流行のボタン数などを微妙に変え、日本人特有の心理(人と同じであることが無難)にうまく訴え宣伝することで、毎年安定的に「リクルートスーツ」の売上げを堅持し、下半期の業績を下支えしているのではないかと思います。

「リクルートスーツ」とは、便宜上創り出された言葉なので、色や形状「だけ」で峻別することは出来ず、あくまでも着用している人(女子学生・新入社員)、状況(就職活動・研修など)、色(黒・グレー・濃紺の無地)、形状(シングルボタンで3つまたは2つ)といった要素が総合的に醸し出す状況下でその女性が纏っている「衣装」の事を結果的に「リクルートスーツ」と言うのではないでしょうか。 


■リクルートスーツを着用した女子学生に惹かれるわけ
リクルートスーツはその色・形状などからキャビンアテンダントや金融関係の仕事着、女性教師、秘書などが着用する制服やスーツとイメージを重ねられます。そして、それは 「堅く上品な」イメージを 醸し出す「何か」を秘めていると考えられます。そして、「イメージとして創り上げられた女性」が持ちうる「堅さ・上品さ」といった仮面(ペルソナ)を はずし、「一人の人間としての自然体の女性」に遭遇してみたいという願望が多くの男性の心の中に絶対的な強さで存在するはずです。

まだ一人前ではない(あるいはそう思われている)女子学生がリクルートスーツを着る事により、見かけの上では 「堅く上品な」大人の女性と同等の衣装を纏っていることになります。リクルートスーツを着用した女子学生達が持ちうる 「初々しさ」「素直さ」「未熟さ」「若さ」「従順さ」といった性質と、リクルートスーツが醸し出す「堅く上品な」イメージとのギャップに多くの男性達は本能的に惹かれるのかもしれません。

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